他人からの何気ない言葉 ~コンビニ店員時代の常連客の話~

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今年の4月、赤ちゃんをおんぶしながらコンビニの接客をこなしている女性店員を見かけました。

 

普段、見ず知らずの店の人にめったに世間話など振らないシャイな私が、「育児と仕事の両立」を間近で目にし、自然と話しかけていました。

 

どちらも本当に大変だということを、身をもって経験していましたので。

 

そして、「ああ、私もバイトをしてたな。」と自分がコンビニ店員だった頃のことを少し思い出しました。

 

今回は、10年以上前の話になりますが、私がコンビニ店員だった時に出会ったあるお客様の話をしたいと思います。

はじめてのバイトは“くそ真面目”に、あいさつもにこやかに行い続けた

私が高校を卒業して大学生になったばかりの頃、バイトを探していました。

 

高校は進学校で勉強には厳しかったので、バイトができませんでした。

なので、大学に入学したらすぐにバイトをしてお小遣いを稼ぎたいと思っていたのです。

 

時間帯や場所が良かったので、時給は安かったのですが、駅前のコンビニでバイトをすることにしました。

 

その時の私は働いたことがなかったので、

給料をいただく店に対しての忠誠心が人一倍強かったです。

 

要は、くそ真面目に働いた、ということです(笑)

 

いや、一生懸命というのは大事なことですが、

「何もわからない状態でバイトをしているのだから、

こんなに給料をもらってしまっては店に申し訳ない」と

本気で恐縮するほどピュア(?)だったのです。

 

「こんな何もできない私に給料をくださるのだから頑張らなければならない!」と、

まずはあいさつだけでもと、にこやかに明るく頑張り続けました。

 

常連のおばあちゃんからの言葉

そういう私のあいさつの頑張りもあってか、

何人かの常連さんに話しかけられるようになりました。

 

部活帰りの女子高生の常連さんにも話しかけられたりしていて、

いろんな意味で充実してました(笑)

 

いろんな常連さんの中で、私が一番印象に残っているのは、

ある1人のおばあちゃんです。

 

数日に1回くらい見かけるおばあちゃんは、片側の手足が不自由だった。

確か左側だったか。

 

もう片方の手で杖をついて、一歩一歩ゆっくりゆっくり歩いてコンビニに来ていた。

 

 

買っていく物は、決まって1リットルの牛乳1本。

 

小さな小銭入れからお金を出してあげたり、

袋に入れた牛乳を手に掛けるのを手伝ったりしていた。

 

普段は何もしゃべったりすることはなかったのですが、

ある日そのおばあちゃんが話しかけてきたんです。

 

「ここのコンビニ、家の近くにあって助かってるのよ。」

 

そう言われたとき、私は何と答えたかははっきりと覚えていません。

 

おそらく「ありがとうございます。帰り道お気をつけてください。」くらいのことは言ったとは思いますが。

 

冬は寒い雪道を歩いて帰れるのだろうかと心配になるくらい、

おばあちゃんの手足は不自由に見えていました。

 

日常生活も大変そうだと思える中で、

家の近くにあるコンビニをおばあちゃんに役立ててもらえているんだ

ということが実感できて、嬉しかったですね。

 

私が何か特別なことをその人にしてあげることができたわけではなかったのですが、

おばあちゃんのその言葉を聞いて、

「もっと人に喜んでもらえるよう頑張りたいな」という気持ちが強くなったのを覚えています。

 

私がバイトを辞めてから1年ほどしてそのコンビニは移転しました。

 

コンビニが無くなってしまって、

おばあちゃんは牛乳を買いに行けているだろうかと、

ふとしたときに思い出すことがあります。

知らない人の何気ない言葉でも、元気をもらうときがある

「赤ちゃんいながら(仕事されてて)、大変ですね。」

 

私ももう少し気の利いた言葉をかけてあげられたら良いのですが(-_-;)

頑張ってくださいとか、無理しないでくださいとか。

手のかかる時期の赤ちゃんをおぶりながら仕事をしている母親を見て、

同じ子を持つ親(父ですが)として、

話しかけられずにはいられなかったのかもしれないです。

 

細かい家庭の事情は違えど、

「育児大変ですよね」と、少しでもわかってくれる客がいるんだと思えることで、

頑張る気力のほんの少しの足しにでもなればいいな

とも思ったからかもしれません。

 

実際私が店員の時、

おばあちゃんに話しかけられたことで、頑張る気力をもらいましたからね。

 

見ず知らずの人からの何気ない言葉でも、がんばる気力や

元気をもらうことがあります。

 

そんな、ほんのちょっとの人と人とのつながりでも大事にしていけるといいな、と思いますね。